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コラム

“Newバージョンの建築家像”誕生に期待して

2015.04.27

ArchiFuture's Eye               ARX建築研究所 松家 克

CAD、CG、BIM、CIM、ICT、スマホ、ウェアラブルコンピュータ、ドローン、LED、4Kや
3Dプリンター、こうしたソフトとスキルや技術の進歩にともなって、建築設計そのものと同時
に、“ものづくりの可能性”“造形の多様性”も格段に広がり、内容も変化している。山梨氏が先の
コラムで触れているマス・カスタマイゼーションやICTもその動きの一つと言える。
 
一方、世界は、今、同時的に価値観を変革している。特に日本では成長・拡大社会から成熟・
縮小社会への変化の中、期せずして大震災と大津波、放射能汚染を経験し、経済政策やエネル
ギー政策、環境とサスティナブル、安全、防災をはじめ、様々な水準での国の将来像が議論
され、見直されつつある。
 
この状況下、草葉の陰で先達の建築家達は、眉をひそめているかもしれないが、今や建築家が、
出版、広告、エンタメなどの演出、ファッション、家電、電車、船舶、ロボットのデザインを
することが、より現実的な時代にもなっている。アートから“Perfume”の演出やCM制作などで
活躍しているライゾマティクスの齋藤精一氏のように、“建築家にならない建築家”を自称する人
さえいる。これら“新建築家像”には、ワイドでオープンな視座と領域に拘らないクリエーター魂
が垣間見える。
 
特に若い人たちには、“異業種”も含めた仕事の領域や可能性に、目を向けてもらい、“次世代の
建築のプロフェッション”として育っていってほしい、との思いを込めて、「ArchiFuture=建築
×コンピューテーション」を始めたのは、2008年のことだった。私が実行委員長を務めるこの
催しも、今年で8回目。更なる情報発信のために、先日、このArchiFutureの「Webマガジン」を
スタートした。
 
ArchiFutureでは、毎回、著名な建築家や新進気鋭の設計者による講演会、パネルディスカッシ
ョン、セミナーなどを通じて、参加者が新たなアドバンテージを持てるよう、様々な情報発信を
行っている。ちなみに、先ほどの齋藤氏にも、2013年に講演をお願いした。参加された多くの
方々は、毎年、何らかのヒントを得てくれているようである。私自身、毎年わくわくするような
発見に出会えることを楽しみにしている。ArchiFutureは、1年の総集編の情報発信であり、
このWEBマガジンは、時時刻刻の情報提供が期待できると考えている。