Magazine(マガジン)

クローズアップ

発表! ArchiFuture Web
2018年人気記事ランキング

2019.01.30

前年に好評をいただいた「ArchiFuture Web 人気記事ランキング」の<2018年版>を今年
も発表したいと思います。
ArchiFuture Web は2015年4月のオープンから3年9ヵ月が過ぎましたがおかげさまで、
建築業界を中心に知名度がますます向上し、ページビューもどんどん増加しています。
オープンからお正月休みなどを除いて毎日(平日)記事を更新していまして、「最新10行
ニュース」「コラム」などのすべての記事の掲載本数は2018年の1年間で462本もの本数
となりました。
前年より約6%も多い462本となり、1年間の平日の日数で計算すると、1日平均で、
1.9本も掲載したことになります。
 
各記事・コンテンツの内容については、「コラム」「最新10行ニュース」を中心に、おかげさ
まで、高い評価をいただいています。
では実際にはどの記事・コンテンツが人気が高かた(ページビューが多かった)のでし
う?
その気になるランキングのベスト5をArchiFuture Webの中でも人気の高い、「コラム」「最
新10行ニュース」の2つのカテゴリーごとに発表します。
 
<コラム人気記事ランキング 2018年分>
第1位「文化の不動産価値」 noiz / gluon/豊田啓介氏 7月31日掲載
第2位「スイスの職人気質とデジタルコンストラクション」 慶應義塾大学/池田靖史氏 
    10月11日掲載
第3位「もう“建築家”なんていらない?」 日建設計/山梨知彦氏 7月20日掲載
第4位「今こそ日本に合ったデジタルデザイン教育を」 広島工業大学/杉田 宗氏 
    9月18日掲載
第5位「BIMの今を考える」 日建設計/山梨知彦氏 2月20日掲載
 
コラムの年間第1位はnoiz / gluonの豊田氏の「文化の不動産価値」でした。前年まで3連覇
中だった日建設計の山梨氏の4連覇を阻止し、見事初の年間第1位に輝きました。
昨年7月に豊田氏がロサンゼルスに滞在中、歴史的建造物と言えるケーススタディハウスの
1つの住宅に宿泊しました。この歴史的建造物に宿泊した体験をきかけにアメリカと日本を
比較しながら、不動産マーケットにおける歴史的建造物に対する評価の違いを解説するととも
その違いを生んでいる原因について分析。その上で今後新たな情報技術やシステム開発に
て、建築物がさまざまな側面から評価されるようになる可能性や、これまでの固定概念や
価値観を大きく見直す必要性について書かれた、建築愛に満ち溢れたコラムでした。
このコラムは、建築関係者の中でも特に“建築Loveな人たち”の共感を呼び、Twitterなどの
SNSで拡散し、建築界で話題のコラムとなりました。
 
続いてコラムの年間第2位は、慶應義塾大学の池田氏の「スイスの職人気質とデジタルコン
ストラクション」でした。これまでの3年間山梨氏と豊田氏の寡占状態だったコラムの年間
ベスト3に、初めて池田氏が食い込みました。
2017年秋から1年間オーストラリアから始まりアメリカの西海岸と東海岸スイスドイ
ツなどのヨーロパ各国の大学の建築系学部へ留学し昨年9月に帰国した池田氏が帰国後す
ぐに執筆したコラムです。池田氏が世界各国の有名大学の建築系学部へ留学した中で感じた
「世界的に建設産業界のデジタルイノベーシンへの期待は非常に大きい」という背景をもと
「建築と建設のデジタル化の世界的な潮流」について書いた、世界的な潮流はもちろん、
日本の今後進むべき方向性も見えてくる、読み応え充分の力作でした。
 
コラムの第3位は、日建設計の山梨氏の「もう“建築家”なんていらない?」でした。残念なが
ら、4連覇はなりませんでしたが、ベスト3は外さないところが、さすがです。
子どもをテーマとするコンペで審査委員長を務めた山梨氏が、その講評会で自身が紹介した本
をきっかけに“子ども”という概念が、時代によって異なっていることを紹介し、情報化社会が
子どもだけでなく専門家という概念にも変化をもたらしていることを解説。その上で、建築家
という職業の今後の変化や可能性ついて考察した、大変面白いコラムです。
山梨氏は、コラムの第5位にも「BIMの今を考える」が入っていて、唯一人、年間ベスト5に
2作品が入るという高い人気ぶりを示しました。
 
また、第4位には広島工業大学の杉田氏の「今こそ日本に合ったデジタルデザイン教育を」が
入りました。このコラムは杉田氏のArchiFuture Webデビュー作で、デビュー作でいきなり
9月のコラム月間1位も記録しました。杉田氏はArchi Future 2018のセミナーでの講演者で、
同セミナーの人気高かったことと、日本の建築界のデジタルデザイン教育を本気で変革したい
という杉田氏の熱い思いが多くの方々の共感や賛同を得て支持されたことが、このコラムが大
変多くの方々に読まれた要因でした。
 
続いて、最新10行ニュースの人気記事ランキングです。
<最新10行ニュース人気記事ランキング 2018年分>
第1位「BIMオブジェクト標準に合意し、BIMライブラリーの構築が加速」10月5日掲載
第2位「前田建設らがBIMとロボットで大規模木造建築の構造材を自動加工」5月7日掲載
第3位「スターツがBIMのビッグデータを活用した新サービスを具現化」9月4日掲載
第4位「スマホの撮影写真からBIMモデルを自動作成し改装などを効率化」11月7日掲載
第5位「大成建設らが建設用3Dプリンタを開発し大型建設部材を自動製作」12月12日掲載 

最新10行ニュースの第1位は、BIMライブラリーコンソーシアムがBIMオブジェクト標準に
合意し、BIMライブラリーの構築が加速という記事でした。この記事が最新10行ニュースの
第1位だったことは、編集部としてはかなり意外でしたが、BIMライブラリーの構築への関心
や期待が想像以上に大きいことを実感しました。
第2位は、前田建設工業が千葉大学と共同で、BIMデータから大規模木造建築の構造材を自動
加工する多関節ロボット加工機を開発したという記事でした。2017年まではロボットやデジ
タルファブリケーションに関連したニュースや記事はページビューが多くなかったため、この
記事が第2位だったことは、ここ最近、急速にロボットやデジタルファブリケーションへの関
心が高まっていることの証左と言えるでしょう。
第3位には「スターツがBIMのビッグデータを活用した新サービスを具現化」が入りました。
これは、BIMをビッグデータとして捉え、新しいビジネスモデルを構築することを具体的に展
開するという初めて取り組みであることと、発注者でもあり、設計施工の会社でもあるスター
ツグループの取り組みであることで、大きな注目を集めました。
第4位は、室内をスマートフォンで撮影した写真から3DモデルとBIMモデルを自動作成し、
一元管理できるシステムの提供を開始したという記事で、JMと米国オートデスクらが技術協力
して実現しました。誰もが持っているスマホを使って撮影した写真からBIMモデルを自動作成
できるということで、多くの関心を呼びました。
第5位の大成建設の記事は、スーパーゼネコンである大成建設が、ついに実大規模の建設部材
の自動製作を可能にする建設用3Dプリンタを開発したというニュースで、建設分野における
3Dプリンタの開発も施工現場で実際に使用できる段階まで来たというインパクトの高い記事
でした。
 
まだまだご紹介したい記事・コンテンツがたくさんあるのですが、記事が長くなりすぎますの
で、「コラム」「最新10行ニュース」のベスト5のご紹介をさせていただきました。
ベスト5以外にも面白い記事・コンテンツが目白押しです。例えば、9月10日に掲載した、
事例紹介の「GPUレンダリングが加速する建築デザインの圧倒的クオリティ<隈研吾建築都市
設計事務所>
」は、新国立競技場や高輪ゲートウェイ駅をはじめ、国内外でさまざまな規模と
用途のプロジェクトが進行している、隈研吾建築都市設計事務所の「CGチーム」の取り組みを
紹介した記事で、コラムのベスト3に匹敵するほどのページビューを記録しました。
ぜひ「コラム」「最新10行ニュース」「ソリューションニュース」など、それぞれの記事・
コンテンツのバックナンバーのタイトルをまずはご覧いただき、気になった記事をぜひご覧
いただければ幸いです。
2019年も、ArchiFuture Webを引き続きご愛読くださいますよう、何卒よろしくお願い申し
上げます。