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ユーザー事例紹介

鉄骨現場における施工管理の業務効率が飛躍的に向上
<エスケーエンジニアリング>

2019.11.13

エスケーエンジニアリングは、親会社であり業界を代表する鉄鋼商社である阪和興業と共同で
行う鉄構事業における鉄骨の現場施工請負会社である。
仙台・東京・名古屋・大阪・博多の主要都市に拠点を置き国内トップクラスの施工量を誇って
いる。阪和興業の調達・設計・加工機能とエスケエンジニアリングの施工計画作業動員力
安全を第一とした現場施工管理を合わせて全国展開しており、大型ショッピングセンターから
大規模物流倉庫や工場、そして耐震工事などありとあらゆる建設工事に取り組んでいる。
今回、同社が導入している建築・土木の生産支援クラウドサービス「Photoruction(フォトラ
クション)」について、代表取締役の山口和史氏にお話を伺った。

データを一元化させ、業務の効率化実現に向けての取り組みへ
「当社は親会社である阪和興業の100%子会社です。社員は約70名でそのうちの約60名が現
場代理人をしています。その平均年齢は50歳近く、アナログ世代でありITツールが苦手な世代
が多くいます。そのため、データが各々のPC上に保管されているなど、共有化が得意ではない
組織でした」と語る、代表取締役の山口氏。


ベテランが多く高い技術力に定評のある同社。毎日約100現場が稼働する中各現場の図面
や書類、写真、チェックリストなどの必要書類が、各所に点在していたため、全社でデータの
共有ができずにいた。そのため、データや資料をすぐに把握することが難しい状況にあり、伝
達ミスにも繋がりやすい状態だった。
「データの保管場所が整い共有化されれば、現場や担当者が変わってもスムーズに引継ぎがで
きます。また、同じような書類を個々に一から作るのではなく、過去に使用した書類をフォー
マットにして編集することで、書類作りの時間短縮にもなります」と山口氏はデータの一元化
による業務効率化を期待していた。
そう語る理由は、過去に鉄骨の営業マンとして活躍していた自らの体験からだ。山口氏は、営
業マン時代に同じ図面を何部もコピーし協力会社に配り、作業を紙ベースで行い各所から情報
を集めて積算していた経験があり、実は当時からこの重複作業で精度を上げるというやり方に
疑問を感じていたという。
「当時この無駄な重複作業は10年後にはなくなるだろうと感じていましたが30年経た今
でも当たり前のようにあります。でも、ITが発展している今なら、自動的に積算資料を作成す
るような、そんな技術があるはずだろうと考えていました」と語る。
そんな矢先に出会ったのが、建設現場の工事写真や図面など、現場で発生する情報の一元管理
を行う生産支援クラウドサービスPhotoructionだ。
「実は出会った当初は、Photoructionの機能やサービスというよりも、IT企業としての技術力
や業界に対する知見の高さを評価してました」と当時を振り返った。

IT推進委員会を発足しPhotoructionを全社導入
「2年前に現場施工管理業務のIT化を目指し、社内にIT推進委員会を編成しました。ちょうど
その頃、業界紙に掲載されていたフォトラクションの記事に目が留まりました。AIエンジンで
図面を読み取り、自動的に積算資料が出るという内容で、まさに思い描いていた技術に出会え
たと思いました。これは強力な武器になり得るのではないか、との思いからファーストコンタ
クトをとったことを覚えています」と、山口氏はPhotoruction導入へのきっかけを語る。
フォトラクションが提供している建設産業特化のAIエンジン「aoz cloud(アオズクラウド)」
は、クラウドサービスであるPhotoructionと連携し、蓄積されたデータを用いて積算や帳票類
の書類を自動作成させることが可能だ。

 Photoructionの管理画面1

 Photoructionの管理画面1


山口氏は、長年、自身の経験からも紙からデータへの移行の必要性を感じていたこともあり、
早速IT推進委員会を始動させPhotoructionを導入した。当初はAIエンジンの将来性を見込んで
の導入だったのだが、いまではPhotoruction自体が同社の抱えていた課題の解決に繋がってい
るという。
「IT推進委員会は、まず社員全員にPhotoructionのアプリを入れたタブレットを支給しました。
当時のPhotoructionはまだ写真機能に特化したツールでしたが、アップデートのスピードが早
く、どんどん機能が増えていき、いまでは幅広い業務内容を一元管理できるようになりました。
また、工程表作成機能は非常に優れており、担当者がエクセルなどで作成していた頃より、格
段に業務効率化が上がっています」。
サービスの拡充が想像以上に迅速に行われ、写真管理をはじめとした、図面や書類などが自動
的にクラウド上で整理され、その場で共有することが出来ることできたことで、データの紛失
を防ぎ、スムーズな伝達がしやすくなり、それまで山口氏が課題に感じていたデータの一元管
理を実現することが可能となった。いまでは管理する施工現場が多く、多忙な同社の社員に
とっての必須ツールになってきているという。

 Photoructionの管理画面2

 Photoructionの管理画面2


また、工程表機能では、自由度に富んだレイアウトで直感的な操作で書き込みや編集も行える。
この工程表もリアルタイムでメンバー間共有をすることができ、情報の共有化がよりスムーズ
になった。
「Photoructionは、当社の細かい要望にも真摯に取り組んでくれるため、活用の幅が広がって
います。将来性を見込んではいましたが、ここまでスピーディーにサービス向上してくれると
は正直驚いています」と、山口氏はPhotoructionへ信頼を寄せる。

ITツール導入をスムーズに、業界をスマートに
「冒頭にお伝えしたように、当社は平均年齢が高いです。そのためITへの苦手意識が壁となり
タブレットやPhotoructionの導入は簡単ではありませんでした。ただ、毎日触ってもらうこと
で徐々に抵抗感がなくなりつつあります。また、無理にITツールを活用せず過去の経験値で昔
ながらのやり方で活躍してもらう人がいても良いと思っています」とベテランの社員にITツー
ルの活用を押しつけないことの重要性も語り、それが同社のIT導入をスムーズにしているポイ
ントであることも覗かせた。
「これから入ってくる若い人たちに仕事を嫌いになってほしくないので、3Kのイメージを払拭
しスマートな世界だと感じてもらう努力をしなければならないと思っています。そのためには、
ITを活用しスマートに仕事をする環境を作っていくことが必要だと思います」と山口氏は語る。
さらに、「近年、大手企業が営む総合建設業におけるIT推進はタブレットの活用をはじめ、
一定の成果を出してきていると感じています。しかし小規模事業主が多い鉄骨現場施工業に関
しては未着手の部分も多く、全国規模で業界随一の施工量を誇る当社が積極的にPhotoruction
のようなITツールを活用することで、協力会社に頼れる存在になり、また仕事をしやすい環境
をバックアップすることで一緒に仕事をしたいと思ってもらいたいです。ITツールを活用し
一歩二歩先を行き、業界の見本になることは非常に意義のあることだと思っております」と、
業界全体の発展を見据えている。
大手商社の子会社であるエスケーエンジニアリングでさえもITツールの導入には年齢的なハー
ドルを感じていた。小規模事業主にとってはより導入ハードルが高いという現状がまだまだあ
る。そのような事業主のためにも自分たちが率先し先導していくことに意義があり、そこには
PhotoructionのようなITツールが必須であると山口氏は語った。

「Photoruction」の詳しい情報は、こちらのWebサイトで。