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コラム

BIMによるコンペと評価

2015.09.08

ArchiFuture's Eye               ARX建築研究所 松家 克

私も審査に参加している「BIMによる短期仮想コンペ」の各賞の発表と受賞者のプレゼンテー
ションが、今年のArchi Future 2015で8回目を迎える。「IAI日本」の企画と運営による課題
と審査方法は、毎年、工夫され改善されている。このコンペでは、コンピテーショナルなスキ
ルとともにBIMによる設計のスキルアップと可能性を拡げ、新たな展開を期待。併せ、データ
共有化による相互活用のスキルアップも図る。各種分析ソフトやBIMの持つ特性を活かし、計
画敷地が持つ特徴やポテンシャルを動植物や鳥や昆虫や蝶や花、風、光などの自然環境や眺望
などを基礎としてシミュレートし、検討結果を計画にフィードバック。形態のデザイン、風や
空気の流れ、熱の伝導、太陽光と採光、人や車の流れ、視認性、構造、設備、安全・防災・防
犯、外溝、緑化、温暖化対応、省エネ、見積や施工、管理(FM)などの各種シミュレーション結
果を反映し、より充実した建築計画に結びつけてゆくプロセスが、BIMによるコンペでは重要
な特徴であり、評価につながるともいえる。当然として、その帰結が魅力的な建築とデザイン
でないとプロセスにも齟齬があったことになる。この各参加者の計画のプロセスは、IAI日本の
ホームページ、Blog、Facebook、Twitterなどで知ることが出来、昨年の審査会では、全国の
提案者とICTを利用し、映像と肉声での提案の説明や質疑回答などのLIVE映像の審査を実施し、
効果的であった。
 
これまでの課題は、東京ベイエリア(豊洲)の埋立地(架空)の「環境技術研究センター」、
川崎市の「集合住宅の建替計画①と②」、八王子市の「メディア芸術センター」、神戸市の
「国際交流センター」、石垣市の「島のモビリティ改善も見据えた観光支援の施設計画」など、
多彩だ。川崎市での集合住宅の建替計画では、ICTを有効利用し、近隣の住民との情報交換と
要望の吸い上げや近隣住民による企画案の評価などのコラボレーションを実施した興味深い提
案もあった。また、遠距離のメンバーでチームを構成し、ICTを駆使した次世代型チームによ
る提案もあった。まさに、テレワークの実践といえる試みともいえる。
 
今年は、城下町の創生と活性化を試みている大分県の杵築市が、コンペの舞台となっている。
コンピュテーショナルなBIMにどのように取り組み、BIMを活用した革新的な3次元設計プロ
セスの新手法での提案と各種のシミュレーションを期待し、 併せ、市民と住民にコンペのプロ
セスをディスクロジャー。これに伴いコミュニケーションを図る新たな手法などが、BLJ2015
の特徴となっているという。地方都市が抱える課題を踏まえ、次世代に繋げられる活き活きと
した街を目指し、その発想の一翼となればとのコンペだ。このコンペに先立ち、プロポーザル
を実施し12のコンセプトが提案されている。7月14日にプロポーザルの選定会議が、杵築
市、九州地方整備局と住民が参加し行われた。この12の全プロポーザルは、BLJ2015の公式
ブログ
で閲覧でき、この提案は、9月9日~13日に実施されるコンペの課題に反映させると
いう。杵築市のホームページや大分合同新聞などでも案内され、その期待度が分かる。どのよ
うな提案があるのか、今年の審査会が待ち遠しい。

 前回のBLJ参加チームの画像

 前回のBLJ参加チームの画像