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国土交通省が建築BIM推進会議によるBIMの
ガイドラインの第1版を策定しWeb上で公表

2020.04.01

国土交通省は、「建築BIM推進会議」において議論を行ってきた建築分野におけるBIMの活用
推進方策について、「建築分野におけるBIMの標準ワークフローとその活用方策に関するガイ
ドライン(第1版)」として策定し、3月31日にWeb上で公表した

建築BIM推進会議は、昨年6月に設置され、官民が一体となってBIMの活用を推進し、建築物
の生産プロセスおよび維持管理における生産性向上を図るため、松村秀一氏(東京大学 特任
教授)を委員長に、学識経験者や同省内の関係部署、民間関係団体などで構成している。また、
建築BIM推進会議の下に、建築BIM環境整備部会をはじめ、5つの部会も設置され、これらの
部会と相互に連携しながら、同ガイドラインについての検討を行い、今回の公表に至った。
同ガイドラインは、BIMのプロセス横断的な活用に向け、関係者の役割・責任分担などの明確
化などをするため、標準ワークフロー、BIMデータの受け渡しルール、想定されるメリットな
どを内容としている。

同ガイドラインは、「はじめに」「BIMの標準ワークフローについて」「BIMの標準ワークフ
ローの活用にあたっての留意事項・解説」「そのほか 留意事項など」の4つの章で構成されて
おり、全109ページとなっている。同ガイドラインの目次を下記に掲載する。


「標準ワークフロー」に関しては、プロセスを横断してBIMを活用する場合における、各事業
者の業務の進め方や契約などを標準ワークフローとして整理。さらに、プロセス間の連携のレ
ベルに応じて、さまざまなパターンのフローを整理した。
「BIMデータの受け渡しルールなど」については、BIMデータをプロセス横断型で円滑に活用
するために必要となる、データの受け渡しなどに関する共通ルールを整理。“設計から施工”で
は、図面間(構造図、設備図など)の整合性を必ず確保することなどを記載している。“設計・
施工から維持管理”では、維持管理者に引き継ぐべき情報を事前に設計・施工段階の関係者に
共有することなどを記載。
「想定される主なメリット」に関しては、省力化・効率化、業務の効率化・コストの低減、合
意形成の円滑化、精度の向上などを挙げている。

なお、同ガイドラインは、あくまで現時点の関係団体などにおける知見などを踏まえた第1版
であり、同ガイドラインを実際に活用することにより得られる知見などを改めて建築BIM推進
会議にフドバクすることにより今後継続的に見直しを行ていくことを前提としている。

国土交通省は、建築BIM推進会議および建築BIM環境整備部会に参画している関係団体などを
中心に、産業や社会全般のさまざまな事業で、今後、同ガイドラインに沿ってBIMが広く活用
されることで、同ガイドラインの内容の検証も進み、さまざまな人材の育成や幅広い事業者へ
の普及、ビッグデータ化、インフラプラットフォームとの連携など、BIM活用の幅広い展開に
つながっていくことが期待されるとしている。

 建築BIMの活用による将来像 Ⓒ国土交通省

 建築BIMの活用による将来像 Ⓒ国土交通省