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国交省が令和3年度 BIMを活用したモデル事業
“先導事業者型”の採択提案7件を発表

2021.06.01

国土交通省は当サイトの記事でも紹介した「令和3年度 BIMを活用した建築生産・維持管理
プロセス円滑化モデル事業 “先導事業者型”」について、3月10日から4月9日まで提案を募集
していたが、このたび、学識経験者などによる評価を踏まえた審査の結果、7件の提案を採択
し、詳細をWeb上で公表した

同募集は、建築BIM推進会議で策定された“BIMのガイドラインの第1版”に沿って、設計・施工
などのプロセスを横断しBIMを活用する建築プロジェクトにおける、BIM導入の効果検証や課
題分析などを試行的に行う取り組みについて、優れた提案を行った者に対し、国がその検証な
どに要する費用を補助するもの。
今年度の公募テーマは、「BIMを通じたデジタルデータの活用による、BIMの活用による生産
性向上、建築物・データの価値向上やさまざまなサービスの創出などを通じたメリット(特に
発注者メリット)の検証など」と「BIMデータの活用・連携に伴う課題(特に発注者と受注者
の役割分担など)の分析など」で、補助金の額は検証などに要する経費以内かつ3,000万円以
下の額となっている。

今回の募集では、16件の応募の中から、以下の7件の提案が採択された(掲載は応募受付順)。
事業者/採択提案名
・アンドパッド、小林・槇デザインワークショップ(KMDW)、DN-Archi、長谷川萬治商店、
 長谷萬、慶應義塾大学/「木造住宅における、BIMとクラウドサービスを用いたCDEとECI
 の効果検証・課題分析」
・梓設計、戸田建設、ハリマビステム/「VRモックアップの効果検証と維持管理BIMの課題
 分析」
・日建設計、荒井商店/「Life Cycle Consulting 発注者視点でのBIM・LCCに関する効果検
 証・課題分析」
・奥村組/「技術研究施設におけるBIMモデルを用いた維持管理業務効率化等の検証」
・スターツアセトマネジメント/「建材と施工の電子商取引に向けたBIMデータ連携の効果
 検証・課題分析」
・大和ハウス工業、フジタ/「業務効率及び発注者メリットを最大限に創出する【役に立つ
 BIM】の効果検証」
・日建設計コンストラクション・マネジメント日本郵政/「建物のライフサイクルを通した
 発注者によるBIM 活用の有効性検証(令和3年度事業)」

総評では、さまざまな立場から、企業の規模などを問わず多数の提案がみられ、今回の公募
テーマを踏まえ、昨年度のモデル事業で明らかとなった課題の発展的な検証を行う提案や、共
同事業者として発注者を加え、発注者自らが発注者のメリットを追求する提案などがみられた
としている。また、建築BIM推進会議での課題に対する議論を適切に踏まえた提案もみられた。
このように、多くの提案が、モデル事業の実施を通じ市場の共通課題の解決につながることを
期待させるものであったとのことだ。

 BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業についてのWebページ

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