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コラム

日本建築学会大会(中国)がくるぅ~

2026.08.27

ArchiFuture's Eye                  広島工業大学 杉田 宗

来月9月8日(火)から11日(金)までの4日間日本建築学会大会(中国)が広島の安田女子
大学を会場として開催されます。中国地方での開催は2017年以来9年ぶりです。 

 日本建築学会大会(中国)のHP。今回のメインテーマは「Play,Play,Play」

 日本建築学会大会(中国)のHP。今回のメインテーマは「Play,Play,Play」


前回は、私が所属する広島工業大学が会場でした。当時を振り返ると、私個人にとっても、そ
して現在の研究室のあり方にとっても、決定的なターニングポイントとなった出来事がいくつ
も思い出されます。
 
その一つが大会中の研究協議会「建築学びのイノベーション」終了後、登壇者であった
豊田啓介先生が登壇者や参加者を連れて、当時完成したばかりだったデジファブラボを見学し
てくれたことです。突然の展開に驚きつつも、「デジタルファブリケーション演習」のアウト
プットが並ぶラボを、全国から来られた方々に案内する機会となりました。この見学会をきっ
かけに、その後『建築雑誌』編集委員でご一緒することになる藤村龍至さんをはじめ、多くの
方々に広島工業大学での建築×ものづくりの試みを知っていただくこととなりました。
 
さらに強烈な出来事もありました。大会の基調講演をお願いした野老朝雄さんたち数名と小さ
く始まった飲み会に広島の夜を楽しむ大会参加者のグループが次々と合流し気づけば30名
を超える大所帯に膨れ上がっていました。最後は杉田設計へと移動し、夜遅くまで盛り上がっ
た思い出は忘れられません。東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムに込められた思
いを野老さん自ら語ってくださったり、後に『建築雑誌』編集委員会で活動することになる
門脇耕三さんと出会ったりと、刺激に満ちた一夜でした。事務所に多様な人が集まり議論を交
わすこの夜の体験が、後にスタートさせる「ヒロシマBIMゼミ」の原動力となっています。
 

 杉田設計に集まった人々。私にとって2017年の大会の臨界点はここ

 杉田設計に集まった人々。私にとって2017年の大会の臨界点はここ


あの熱狂から9年。今回の大会に合わせ、様々な関連イベントや企画を用意しています。大会
で広島を訪れる全国の建築関係者に、広島を最高に楽しんでいただきたいと考えています。
 
まず大会初日となる9月8日(火)には、実に16年ぶりの復活となる「Hiroshima 2030
Design Charrette(HODC)
」を開催します。若い世代の建築家と学生が現在と未来の広島につ
いて議論・提案するシャレットです。テーマはずばり「広島の街をおもしろくする未来のあそ
び場」。現在参加者を広く募集していますので、大会参加のついでに是非ご参加ください。
 

   Hiroshima 2030 Design Charrette

   Hiroshima 2030 Design Charrette


翌9月9日(水)の午後には伊藤亜紗先生による大会の記念シンポジウムにてパネリストの
一人として応答講演をさせていただきます。ここまでに広工大で深めてきた実践と、これから
の建築教育・建築情報分野のあり方について発表する予定です。

そして同日9月9日の夜には、恒例の「ヒロシマBIMゼミ」を開催します。今回は特別版とし
て、東洋大学の田澤周平先生と早稲田大学の石田航星先生を講師に迎え、「考えるBIMからつ
くるBIMへ」をテーマに議論します。こちらも大会に合わせての開催なので、是非この機会に
ご参加ください。
 

   ヒロシマBIMゼミNo.31「考えるBIMからつくるBIMへ」

   ヒロシマBIMゼミNo.31「考えるBIMからつくるBIMへ」

 
さらに9月10日(木)午後には、広島工業大学にて「M-Hub見学会」を予定しています。昨年
新しく整備されたFabLabや、2017年以降パワーアップしたデジファブラボを見学していただ
いた後、広工大で進めてきた建築情報教育についてご紹介します。
 
生成AIやデジタル技術が加速度的に進展する今だからこそ、建築教育において「自らの手でも
のをつくる楽しさ」や「物質と触れ合う体験」をいかに伝えるかが重要だと感じています。教
育・研究の現場でどのようなデジタルファブリケーション設備を揃え、いかに運用・活用して
いるのか。そのリアルなノウハウと熱量を、全国の皆様と共有したいと思っています。こちら
も絶賛参加者募集中です。

 昨年広工大に整備されたFabLab

 昨年広工大に整備されたFabLab


学会大会のもう一つの醍醐味は、その土地の建築や文化、食を味わうことです。せっかく広島
に来ていただくのであれば、ガイドブックに載っている情報だけでなく、地元に暮らす人間の
視点でおすすめする「本当の広島」を楽しんでもらいたい。
 
そんな思いから、現在私のXやInstagramで「広島レコメン」と題した投稿記事を日々発信し
ています。大会開幕までに全30回の投稿を予定しており私が自ら撮影した写真や映像ととも
に、有名建築からローカルなおいしい食べ物、お気に入りの景観スポットまで幅広く紹介して
います。
 
例えば、前回2017年の大会時から最も劇的に変化したのが「広島駅」周辺です。駅の南口に
降り立つと、市内電車が建物の2階へと直接乗り込んでくる圧巻の光景が広がっています。こ
うした街の最新の変化から、広島らしいスポットまで、広島を多角的に味わうためのガイドと
して、ぜひ広島の情報収集に役立てていただければ幸いです。
 

  私のInstagramアカウント。ハイライトから「広島レコメン」が見れます

  私のInstagramアカウント。ハイライトから「広島レコメン」が見れます


大会という場は、単に研究発表を聴くだけの場ではありません。2017年に私が体験したよう
に、偶然の出会いから新しいプロジェクトが芽生えたり、夜の議論から新たなつながりが生ま
れたりする「交差点」でもあると思います。今年広島を訪れる皆さんにとっても、今回の大会
や関連イベントが新たな刺激とつながりを生む機会になることを願います。
 
9月、熱気あふれる広島の地で、皆様とお会いできることを楽しみにしています!

杉田 宗 氏

広島工業大学 環境学部  建築デザイン学科 教授