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発表! ArchiFuture Web
2022年人気記事ランキング

2023.02.27

ArchiFuture Web は、2015年4月のオープンから7年10ヵ月が過ぎましたが、建築業界を
中心にさらに認知度が広がってきまして、おかげさまで、ページビューはこの1年でまだまだ
増加しています。
オープンからお正月休みなどを除いて、毎日(平日)記事を更新していまして、「最新10行
ニュス」「コラム」「ソリュションニュス」などのすべての記事の掲載本数は、2022年
の1年間でちょうど600本となりました。
本数は年が明けるまで全く数えていなかったのですが、ピッタリ600本でした。
前年より約5%多い本数となり、1年間の平日の日数で計算すると、1日平均で
2.5本を超える、過去最高の本数を掲載したことになります。
 
各記事・コンテンツの内容については、「コラム」「最新10行ニュース」を中心に、おかげさ
まで、高い評価をいただいています。
では、どの記事・コンテンツが、実際には人気が高かった(ページビューが多かった)ので
しょう?
そこで、今年も恒例の「ArchiFuture Web 人気記事ランキング」の<2022年版>を発表し
たいと思います。気になるランキングのベスト5をArchiFuture Webの中でも人気の高い、
「コラム」「最新10行ニュース」の2つのカテゴリーごとに発表します。
ページビュー(PV)は、掲載日での有利不利がないように、掲載月の翌月末までをカウントして
います。例えば、12月に掲載のコラムは、翌月の1月末までのPVをカウントしました。そのた
め、ランキングの発表が2月になっています。
 
<コラム人気記事ランキング 2022年分>
第1位「メタバースには建築学が必要」 東京大学/池田靖史氏 5月26日掲載
第2位「“脱炭素”と“ファサードデザイン”と“デジタル”」 日建設計/山梨知彦氏 
    10月27日掲載
第3位「BIMとは何だろうか」 熊本大学/大西康伸氏 12月1日掲載
第4位「配属ガチャと新人BIM研修」 前田建設工業/綱川隆司氏 2月8日掲載
第5位「BIMと建築プロジェクト・マネジメント」 芝浦工業大学/志手一哉氏 
    10月6日掲載
 
コラムの年間第1位は、東京大学の池田靖史氏の「メタバースには建築学が必要」でした。
池田氏は過去に年間第2位はあったのですが、ついに初の年間第1位に輝きました。
メタバースに関連する業界団体が、2021年12月からの約4ヶ月の間に4つも設立されたこと
を受け、このコラムでは、メタバースが建築の世界に生きてきた人々にとってどんな関係があ
るのかについて、とても深い考察を行った上で書かれた、示唆に富む、素晴らしい秀作です。
世界が今後ますますリアルとバーチャルに跨った存在にならざるを得ない方向に進む、大きな
時代のうねりの中で、まだその時代の変化に付いていけていない建築分野の人々の背中を押し、
勇気づけてくれる、建築関係者必見のコラムです。
 
続いて、コラムの年間第2位は、日建設計の山梨知彦氏の「“脱炭素”と“ファサードデザイン”
と“デジタル”」でした。山梨氏の3年連続年間第1位はなりませんでしたが、それでも年間
第2位はさすがです。
昨年の後半からリアルイベントが増えてきていますが、山梨氏の元にも講演の依頼が増えてき
ていた状況の中で、山梨氏に期待されている講演のトピックスは、「脱炭素化」・「建築、特
にファサードのデザイン」・「デジタル技術」の3つのキーワードに収束しているとのこと。
このコラムは、この3つのキーワードを通して、著名建築家である山梨氏が、自分自身が思っ
たこと、考えたことを建築家の視点で書いた、とても貴重で読み応え充分な大変面白いコラム
です。
 
コラムの年間第3位は、熊本大学の大西康伸氏の「BIMとは何だろうか」が入りました。
大西氏は2年連続の年間ベスト5に入りで、昨年の第4位から第3位に1つ順位を上げました。
大西氏のコラムは独特のものがあり、読者の方々からの人気が高いです。
BIMソフトの教科書の執筆依頼をきっかけに、「BIMとは何か」について執筆することになっ
た大西氏は、改めて大変難しい問いであることに気付くとともに、問いへの回答の組み立て方
を考察します。読み進めるうちに「BIMとは何か」について、いつの間にか考えさせられる、
大変興味深いコラムです。コラムに毎回登場する大西氏の娘さんのかわいい絵・作品にも、引
き続き注目してご覧ください。
 
また、コラムの年間第4位は、前田建設工業の綱川隆司氏の「配属ガチャと新人BIM研修」で
した。綱川氏は初の年間ベスト5に入りとなりました。
ArchiFuture Webのコラムニストは、皆さん本当に文章が上手いですが、その中でも綱川氏は
とても文章力か高いので、編集部のスタッフからの人気も高いものがあります。
新入社員の配属先は今も昔も「ガチャ」みたいなものですが、「他人の仕事を見て盗む」とい
う機会が、コロナ禍の社会状況の中で減少したと指摘する綱川氏。このコラムでは、新人の設
計BIMの導入研修の講師をしている綱川氏が、他社より進んでいる新人BIM研修の内容を紹介
するとともに、その中で気付いた新人の大きなチャンスと可能性について書かれた、大変面白
いコラムです。
 
コラムの年間第5位は、芝浦工業大学/志手一哉氏の「BIMと建築プロジェクト・マネジメン
ト」が入りました。志手氏も初の年間ベスト5に入りです。
2015年のオープンの年にはまだ8人(組)しかいなかったコラムニストのうちの一人である
志手氏が初の年間ベスト5に入り、編集部としてもとても嬉しく思いました。
このコラムは、志手氏が共著者となっている、昨年の夏に出版された「現代の建築プロジェク
ト・マネジメント」という書籍の紹介を中心に、BIMの教育をする上でBIMの初歩的な知識の
学習とともに、BIMは便利と感じるだけでなく、「3D/4D/5D」の意味を腑に落ちて理解する
ためにも「プロジェクト・マネジメント」の知識に触れることがいかに重要かについて書かれ
た、大変興味深いコラムです。
 
 
続いて、最新10行ニュースの人気記事ランキングです。
<最新10行ニュース人気記事ランキング 2022年分>
第1位「国土交通省が2025年度にBIM確認申請の試行を開始へ」12月1日掲載
第2位「国土交通省が国費80億円で建築BIM加速化事業を新たに創設」12月13日掲載
第3位「BIM基礎知識の理解度診断をBIM教育機構がオンラインで開始」2月1日掲載
第4位「日建設計が日本での効果的BIM活用を促すハンドブックを無料公開」5月12日掲載
第5位「大林組がデジタル空間に現場状況をリアルタイムで反映させ施工管理」3月7日掲載
 
最新10行ニュースの第1位は、国土交通省が2025年度にBIM確認申請の試行を開始するとい
う記事でした。BIMによる建築確認申請が定着していくと、BIMがmustとなり避けて通れない
ということになるため、このニュースは、とてもインパクトが高く、大変注目を集めました。
第2位は、国土交通省が国費80億の「建築BIM加速化事業」を新たに創設したという記事でし
た。建築BIMの社会実装を加速化したい考えのもと、BIMソフトウェアや講習などに要する費
用に対して、国が補助を行うというもので、大きな話題となりました。
第3位には、「BIM基礎知識の理解度診断をBIM教育機構がオンラインで開始」という記事が
入りました。この「BIM基礎知識診断」のテスト時間は60分間で、出題数は30問、4肢択一の
出題形式となっているとのことですが、とても関心を集めたニュースでした。
第4位は、日建設計がBIMの効果的な活用を促すためのハンドブックを制作し、Web上で無料
公開したという記事でした。ニュージーランドの団体が作成した資料を日建設計が分析し日本
の事情に合わせて翻訳したものです。発注者と受注者がBIM活用方法を正確に共有できるよう
になることで、日本のBIM活用の促進などに繋げることを目的に公開しました。
第5位は、「大林組がデジタル空間に現場状況をリアルタイムで反映させ施工管理」がランク
インしました。BIMの3Dモデルを基にした建築物の施工状況のデータをベースに、IoT化した
重機の位置や稼働状況、監視カメラの映像などを連携させて、リアルタイムに現場の状況を反
映し一元的に管理するものです。プロ野球で話題の「エスコンフィールドHOKKAIDO」新築
工事(北海道・北広島)で実証実験を行っている点も注目を集めました。
 
まだまだご紹介したい記事・コンテンツがたくさんあるのですが、記事が長くなりすぎます
ので、「コラム」「最新10行ニュース」のベスト5に絞ってご紹介をさせていただきました。
このベスト5以外にも面白い記事・コンテンツが目白押しです。
「コラム」「最新10行ニュス」「事例紹介」「ソリュションニュス」など、それぞれの
記事・コンテンツのバックナンバーのタイトルをまずはご覧いただき、気になった記事をぜひ
ご覧いただければ幸いです。
「コラム」については、気に入ったコラムニストを見つけて、「コラムニスト一覧」などから、
お気に入りのコラムニストのバックナンバーをすべてご覧になるのもお勧めです。
2023年も、ArchiFuture Webを引き続きご愛読くださいますよう、何卒よろしくお願い申し
上げます。