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BIM-建設情報知識基盤(SekiDB)・構想編
2026.09.17
パラメトリック・ボイス
Unique Works 関戸博高
はじめに
BIMと出会って十数年が経った。その時、直感的にBIMの本質は「情報」にあると思ったが、
どう付き合えば良いか分からないままの状態が長く続いた。時には深い霧の中にも陽がさすこ
とが有ったが、すぐに先が見えなくなった。しかし、重要な新規事業をものにするには十年か
かることは、企業経営を通じて経験していたので、特に気にはならなかった。
そうこうしている中で、「情報」を使い、自分がやりたいことを実現するには、この建設関係
の膨大な「情報」を具体的に収集することが、結局は早道だと気付いた。だがその時はまだAI
以前だったため、具体的に動くことはできなかった。そして3年ほど前、生成AIが身近な道具
として使えるようになり、建設情報知識基盤(SekiDB)を具体化する道が開け始めた。
私にとって、AIと一緒に作るマンガ空間は、ひとつの実験室であり、タイムマシンのようでも
ある。
今回のコラムでは、これまで断片的にしか書けなかったその全体像を、手持ちのマンガの中か
ら伝えるのに適したものを選び、再構成した。紙幅の関係から、今回は技術の詳細よりも、
SekiDBがどのような問題意識から生まれ、どのような未来を目指しているのかを中心に描く
ことにした。
まずは、大谷設計士の悩みを聞くところから始める。

大谷設計士の悩みは、情報が足りないからではない。情報がつながっていないことが問題なの
ではないか。
他の登場人物は以下の通り。

第1章 なぜ建設情報は使いにくいのか?
現状は、
● 図面、仕様書、カタログ、積算、維持管理情報が別々に存在する
● 同じ意味でも名称が異なる
● 性能値だけでは測定条件が分からない
● 情報の出典や更新時期が追えない
この分断を解消し、建設情報を判断に使える知識へ変えることが、SekiDBの出発点である。
1.1 SekiDBで私たちが目指すもの

<解説>情報を集めるだけでは、この問題は解決しない。名称や条件が違う情報を、同じ意味
で扱えるようにする必要がある。
1.2 共通の意味が、情報をつなぐ

<注>「共通の意味(辞書・Semantics)」とは、名前が違っていても『同じもの』だと人間
とコンピュータが理解できるようにする仕組み。
第2章 SekiDBは情報をどう知識に変えるのか?
SekiDBでは、情報を次の流れで知識に変えていく。
1. 根拠のある情報を集める(Source)
2. 言葉や項目の意味をそろえる(Semantics)
3. 材料・部位・性能・法規などの関係を定義し、つなぐ(Ontology/Knowledge Graph)
4. 人が根拠と内容を確認し、AIの抽出結果や実務判断を評価する基準となる正解データを
整える(Gold Standard)
2.1 建設情報知識基盤の全体像

<解説>建設情報は、根拠を集め、意味をそろえ、関係を整理することで知識としてつながる。
人が確認・承認することで、AIが検索や提案、分析を支える確かな土台になる。

<注:図中の英単語の解説>
第3章 AIだけでは、信頼できる知識基盤はつくれない
3.1 AI時代には、何が変わるのか?

<解説>AI時代の大きな変化は、人とAIが協力して知識を育てること。知識基盤は情報をため
るだけでなく、人の経験や判断とAIの力を合わせ、より役立つものへ成長する。
3.2 AIと人間の役割分担

<解説>AIは情報の抽出・比較・提案・検索で人を支え、人は内容の正しさを判断し、承認と
責任を担う。互いの役割を分けて協力することで、安心してAIを活用できる。
第4章 使った結果が、次の知識を育てる
4.1 利用結果を人が評価・更新・承認することで、実績が次の知識につながる。

<解説>知識は、実務で使った結果を評価し、更新することで育つ。人が内容を審査し信頼性
を確かめ、再利用する。この循環によって、利用実績が確かな知識につながる。
4.2 SekiDBには何を蓄積するのか?

<解説>SekiDBには、利用履歴や採用実績、情報の更新、保守対応、AIの提案と活用結果を
蓄積。実務で得た経験を知識として残し、次の判断や改善に役立てるためである。
以上が初めてマンガを用いたコラムの第一弾となる「構想編」である。
次回のコラムはマンガを用いた第二弾の「実装編」を紹介したい。



























