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BIM-建設情報知識基盤・実装編 その1
2026.11.06
パラメトリック・ボイス
Unique Works 関戸博高
前回のこのコラムではマンガを用いて、建設情報知識基盤(SekiDB)の全体像を第1弾の「構
想編」として描いた。今回は第2弾として、SekiDBの技術的な仕組みと、建設情報を根拠のあ
る知識として蓄積・共有し、それをAIと人間が活用する新しい建設実務の姿を「実装編 その1」
として紹介する。
以前も書いたが、私にとってAIと一緒に作るマンガ空間は、ひとつの実験室であり、タイムマ
シンのようでもある。登場人物たちは、様々な疑問を投げかけ、一つひとつ解決していく。読
者も、日常の仕事場がこんな風であったら、きっと楽しいだろうなと思うのではないだろうか。
章立ては、前回からの流れを理解しやすいように、連続した構成としている。
第5章 建設DX・第5世代と設計者の役割
5.1 第1〜第5世代の技術的な発展

<解説>建設情報の扱いは、情報の蓄積からBIMとの連携、意味の整理、知識の構造化へと、
その可能性を広げてきた。その上に位置する第5世代では、AIエージェントが知識を活用し、
人の判断や実務を支援する。
<注>この「第1〜第5世代」の考え方は、コンピュータやAI一般の公式の世代区分ではなく、
建設情報を「どう扱えるようになったか」というSekiDB構想上の発展段階として整理したもの
である。前回の第2章で示した知識化のステップ(Source・Semantics・
Ontology/Knowledge Graph・Gold Standard)を、業界全体の技術発展という時間軸で捉え
直したものである。第3はSemantics、4世代Ontology/Knowledge Graphに対応する。
Gold Standardは特定の世代に属するものではなく、各段階の情報の信頼性を支える品質保証
の土台として位置付けている。

5.2 AI エージェントの働き

<解説>AIエージェントは、SekiDBに集まる設計・積算・維持管理・法規の知識を使い、検索
や分析、提案を行う。つまり人の判断を助ける役割を担うが、最終的な判断を行うのは人間で
ある。
5.3 知識を継承できる組織へ

<解説>建設DXの第5世代が目指すのは、組織に蓄積された知識や経験を受け継ぎ、AIで活用
すること。人とAIが協力し、知識を育て続けられる組織を作ることである。
5.4 設計者の具体的な役割

<解説>第5世代の設計者は、図面を作るだけでなく、AIを活用しながら、設計判断の根拠
や実務経験を整理・体系化する「知識の編集者」へと役割を広げていく。組織の知識を育て、
次世代へ受け継ぐことも仕事となる。
確認履歴などをひとまとめにし、その判断の妥当性を後から確かめられるようにするための仕
組み。SekiDBで構想している根拠管理の考え方である。
第6章 SekiDBがひらく建設実務の未来
6.1 BIM空間情報と法規制がつながる未来

<解説>将来は、BIMの空間情報と法規データをつなぎ、AIが材料の候補を提案したり、法規
への適合確認を助けたりするようになる。
6.2 新しい建設情報社会へ

<解説>SekiDBを中心に、設計・積算・施工・維持管理・法規などの情報がつながる。人によ
る確認、AIによる支援、実務で得られた利用実績の蓄積と活用を繰り返すことで、建設情報を
社会全体で育て、共有・活用できる未来を目指す。
おわりに
冒頭の大谷設計士が抱えていたのは、単なる情報不足ではない。必要な情報が分散し、その意味
や根拠を一つひとつ確認しなければ、実務に活用できないという問題だった。SekiDBが目指し
ているのは、設計者に代わってAIが決めることではない。必要な情報と根拠をつなぎ、人がよ
り良い判断をできる環境をつくることである。
以下は大谷設計士の半年後の仕事場の様子である。

SekiDBのPoC(概念実証)は、第1段階のデータの収集・構造化の検証を終了している。具体
的には、人が作成したGold Standardデータと、AI-OCRによって抽出・構造化したデータの
一致度を検証した。現在は第2段階として、Gold StandardデータとRevitとの連携を進め、実
務での利用可能性を確認しているところである。
以上がマンガのコラム第2弾の「実装編 その1」である。次回は第3弾「実装編 その2」を紹介
したい。



























